二藍蝶

今の私には、聞こえない。

昼が過ぎ、夜が訪れる。

真っ暗な部屋に

藍は、一人きり・・・

数時間後、玄関のドアが
開かれる・・・

明るい部屋

「おっ、うまそうな匂い」

弦の声が聞こえる。

「カイリ、おかえりなさい
 セキさんも一緒・・・」

エプロン姿の私は、持っていた
シリコン素材のターナー
(フライ返し)を床に落とし
慌てて、浬に近づく。

「セキさん
 すごい怪我

 大丈夫、ですか?」

「大丈夫だよ
 大したことない」

藍は、何かに囚われたように
弦を見つめる・・・

見つめる・・・