「先代、すみません」

「じいちゃん・・・」

祖父は、俺を見て
露骨に呆れた顔をする。

そう、ここは祖父の家。

「このバカ息子が、ここへ
 来る時は、まず連絡しろと
 いつも言ってるだろう

 それに、謹慎中に黙って
 家を出てくる奴があるか
 
 ゴホゴホゴホ・・・」

そこへ現われて、祖父の背中を
擦るのは、祖父の妻、千夏さん

祖母と言うには、あまりにも
若すぎる人。

「まあまあ
 あなた、その辺りで・・・
 また、喘息の発作が
 出ますよ
 中へ入りましょう

 カナメさん、カイリ
 さあ、中へ入って・・・

 そうだわ、カイリ
 今すぐ、スミレちゃんに
 連絡しなさい」