浬は、ふと思った。

俺とアイツは、似ている。

浬は見つめる・・・

馨の隣、一緒に居る男に
見覚えがある。

その男は、灰塚組の
若頭だった男・・・

それは、二年前の話。

現在は、灰塚組・組長。

確か、トキ
そう、呼ばれていた。

車に乗り込んだ男を見送った後
馨は、浬の方を見た。

目が合う、二人・・・

馨は男達に何かを伝え
煙草を取り出し、その場で
吸い始めた。

男達は、車に乗り込み
その場所に彼だけが残る。

数分立った頃、辺りを見渡し
歩み出した馨は、浬の車の窓
を叩いた。

コンコンコン・・・

開かれる、窓。