「どうした?」

「頭が痛くて、目が覚めたの」

苦痛に顔を歪める、藍。

「大丈夫なのか?」

「うん、薬飲んだから
 痛みも直に治まると思う」

「そうか・・おいで」

俺の腕にすっぽりと納まる
藍を、この腕に抱きながら
お前の存在に、俺はほっと
安心する。

頭を撫でる、大きな手

額に触れる、冷たい手

「カイリの手
 
 気持ちいい」

藍は、瞼を閉じた。

俺は、こんなにも
お前を失うことが怖い。

俺達は、同じ気持ち・・・

俺は、俺の意思でこの世界に
生きることを決めた。