二藍蝶

「お久しぶりです」

塁さんの声。

「はい・・・」

私は、やっぱり
この人の瞳が少し苦手だ。

彼の言いたい事は分かる。

浬を縛るのはやめろ。

浬を自由に・・・

「大変だったんですよ」

「えっ?」

「貴女が消えて
 カイリの奴、酒に溺れて
 毎夜、付き合わされました」

そう言って、彼は苦笑した。

私を失った後の浬を塁さんは
知っている。

「消えるのは、もう
 止してくださいよ」

浬の傍に居てもいいと
言ってくれているようで
私は嬉しくなった。

「はい、もう二度と
 消えません」

穏やかな時が過ぎる。