保とは、古くからの仲間である
その男は、21歳のほんのガキ
に命をかける入江組の代紋を
継がせることに唯一、反対した
男。

なぜなら、本来なら
彼が、八代目になるはずだった
男だから・・・

誰よりも組を愛している
その男は、過去に受けた傷の
後遺症のせいで、左目の視力を
失い、サングラスの中の瞳で
組を見続けてきた。

彼のイライラは、周りの者に
まで不快感を与える。

「兄弟
 少し落ち着いてはどうだ」

「これが落ち着いていられるか
 
 カオルの話では
 今日の午後、痺れを切らした
 神前組、会長がわざわざ
 俺達の前に現れ
 
 兄弟の契りを交わすか否か
 話し合いの場が持たれる事に
 なっている・・・」