こいつとは、ガキの頃からの
腐れ縁で停学仲間の
関上 弦(セキガミ ゲン)

「セキ、お前もな
 
 おばさんは?」

「仕事・・・
 
 まあ、入れよ
 まだ、時間あるだろう?」

「ああ」

弦の部屋のドアが閉まる。

「カイリ、ほら
 これで足りるだろう?」

弦は、一万円を
俺に差し出した。

「ああ、済まないな
 帰ったら返すから
 
 ・・・お前も行く?」

「俺、俺はいいわ」

「まだ、家の中
 ゴタゴタしてんのか?」

「ああ・・・」