「おう、サンキュ」

貰った煙草を銜える弦。

助手席に据わる舎弟が
二人にライターの火を翳すと
二人は交互に口元を
近づける。

「セキさん
 昨日の子って何すか?
 相思相愛って・・・
 
 まさか、親父
 女できたんすか?
 良かった、良かった
 
 これでやっとアイさんを
 ・・・・・・」

「相手は、きっと
 そのアイさんって
 女だよ」

弦の言葉に驚く、舎弟。

「親父
 マジっすか?」

「ああ」