二藍蝶

歩み出す正二の背中に
弦は問いかけた。

「じいちゃん
 こんな俺でも
 ヤクザになれるのか?

 妹が死んだくらいで
 俺は、こんなにも弱い・・」

「この俺だって、お前と
 同じ、義妹の死を乗り越えて
 生きてきた

 俺の義妹、カヤコも
 この世に絶望して自ら
 命を絶った・・・

 残されたものの気持ちなど
 お構いなしで、今頃は
 あの世でアニキと一緒に
 笑って過してるだろうよ」

そう言って正二は
優しく微笑んだ。

「そして、あの日
 俺は先代に連れられて
 お前と夏を過したあの家へ
 ・・・・・・
 そして、一旦、家に戻り
 高校を卒業した後も
 極道になりたいと思う気持ち
 が消えなかった俺は
 この街に、もう一度戻り
 高月組に入った」