車を降りる、組長のドアを
開ける浬。

降り立つ、新は言う。

「カイリ、お前も来い」

俺は、息を飲む。

敵対している訳では無い
友好関係にある、組に
ただ入る。

ただ、それだけのこと
なのに・・・

足が竦(すく)むのは
何故だ・・・

息苦しいのは、何故だ・・・

それは俺が、この組を裏切って
会澤組を選んだから・・・

罪悪感にも似た、心情。

男達の視線が痛い。

「カイリさん」

「カイリのぼっちゃん」

男達の声が悲しい。

でも、仕方なかった・・・