そんな母の気持ちに戸惑う私

「この家は、暮らしづらい?」

「ヒイロ」

芳野の少し怒った声に
母は驚き、口ごもる。

「ママ、そんなわけ無いよ
 私はこの家が大好きだよ」

「じゃあ・・・」

「大好きだけど、モデルとして
 社会に出ると決めた以上
 私はもう、ママやヨシノに
 甘えたくないの

 私の仕事は、撮影で帰りが
 遅くなったり、急に仕事が
 入ったり、不規則な生活
 を送ることになる

 私の仕事のせいで家族の
 リズムが崩れることだけは
 嫌なの」

「アイ・・・
 気にしなくていいのよ
 
 私達は、家族なんだもの
 貴女の仕事を、私達も
 理解して、分かち合い
 支え合う事は当たり前
 の事だわ

 ねえ、アイ
 ここに居ていいのよ」