二藍蝶

「そうか
 可愛げないだけじゃねぇ」

「ふうん、男性には
 そう見えるのかな?
 十分、可愛いけどなぁ」

俺の言葉に彼女は
うれしそうに微笑んだ。

「ほらっ、行くぞ」

彼女と並んで歩いていると
背中に強い視線を感じる。

そんな俺に聞こえる声

「私を、見てよ」

その声は・・・

俺は、聞き覚えのある声に
振り返る。

やっぱり、藍・・・

「カイリ?」

ちょっと、待てよ
こんな偶然、ありか?

あの看板から抜け出たのか?

目の前に存在する、藍の姿に
俺は驚いて声が出ない。

唇だけが先走って
お前の名を呼ぶ。

『藍?』