二藍蝶

「いらねぇよ
 お前は食い飽きた」

「ひどい、カイリ
 普通、言う?」

ほっぺたを膨らませる
彼女。

「大切な日ぐらい
 好きな男に抱かれろよ」

「好きな男は今夜も
 奥さんを抱いて眠るよ」

そう言って、彼女は
俺の腕に甘えた。

「・・リ、見て
 
 うわぁ、大きい
 すごい存在感

 ねえ、このモデルの子
 綺麗だよね?
 
 この冷めた瞳が
 いいよね?
 
 男に屈しないって感じが
 カッコイイ」

藍の看板の前で
彼女は瞳を輝かせる。

確かに、藍は今も綺麗だ。

彼女は看板を見つめた後
お店のガラスに写る自分の
姿を見つめて、何かを考え
思っている。