二藍蝶

黙ったまま、窓の外を見つめる
浬の顔が、窓越しに映り
塁に見えた。

塁の胸はざわめき、高鳴る。

窓に映る、その妖艶な瞳は
狂おしいまでに狂気に満ちて
塁の胸は騒ぐ。

その瞳は、高月組初代組長
高月一夜の生まれ変わり。

一代で、高月組を築き上げた
伝説の極道・・・

動の中に宿る、野心の瞳。

その瞳に服従したくなる
塁がそこにいた。

「カイリ、着いたぞ」

「ああ、サンキュ」

車を降りようとした浬に
塁は言う。

「カイリ、いい加減
 車、乗れよ
 
 免許が腐るぞ」

「免許なら、この前
 欲しいって強請る
 女にやった」