離れる唇・・・

貴方の声・・・

「愛してる、お前を」

愛してる・・・

聞きたかった言葉

あの時
聞く事のできなかった言葉。

私は、浬の背中に腕を回す。

きつく、きつく、貴方を
両腕で縛る。

「カイリ、カイリ」

愛しい人の声・・・

私は、貴方の耳元で
囁いた。

「お願いだよ

 もう二度と
 私を捨て、ないで」

「そんなヘマ
 二度とするかよ」

「カイリ、愛してる」

貴方は、私の愛の言葉を
聞いて、ほっと息を漏らし
とても嬉しそうに微笑んだ。

私は、その微笑を一生
忘れられない・・・