私は、浬の腕の中から
必死に逃れる為に
両手を前へと突き出して
貴方と距離を取る。

「やめてよ
 
 どうせ、また
 私を捨てるんでしょう?
 
 また、私の前から
 消えるんでしょう?」

私は、貴方を見上げて
言い放つ。

「それなら
 今すぐ消えて・・・」

悲しい瞳で、貴方を見つめる
私の唇に、貴方の唇が触れた

驚く私だったけれど、次第に
触れ合うだけの口づけでは
じれったく感じた。

私は、ずっと貴方が欲しかった

貴方に触れたかったの。

私は、必死に貴方の唇を
求めた。

重なり合う唇・・・

息もできぬほど、口づけて。