二藍蝶

私は、ゆっくりと顔を上げて
冷めた瞳、真赤な瞳で
貴方を、じっと見つめた。

「誰も怒ってないさ」

私の頬に伸びる浬の手から
私は逃れる為に一歩後ろへ
と下がった。

俯き、私は言う。

「私に、触らないで・・・
 捨てた女に優しくなんか
 しないで」

貴方は、その伸ばした手で
私の腕を掴み、私を引き寄せ
強く抱きしめてくれる。

強く、強く。

「やめて、カイリ
 
 抱きしめるなんて
 ひどいよ・・・
 
 抱きしめられても
 苦しいだけだよ
 
 早く、私を放して・・・
 私達は、遠い昔に終わった
 
 貴方が一方的に
 幕を降ろして、私は苦しんだ

 もう、過去に縛られるのは
 嫌なの・・・」