二藍蝶

貴方にとって、私は
捨てた女の一人なのに・・・

悲しい・・・

こんなの惨め過ぎるよ。

『愛なんて、邪魔なだけ』

私はまた、過去に縛られる。

寂しいよ・・・

私だけが過去に囚われている

一人、どこへ行くでもなく
歩き続ける私の背後から
私の手に触れる冷たい手の
感触・・・

袖を捲くった腕が見えた。

貴方は、荒い息を吐き
私の名を呼ぶ。

「藍・・・」

私は、浬の方を見ないまま
その手を解き、歩き続けた。

貴方はもう一度、私の手に
触れ、力強く握り締めた。