俺は、女の抜け殻と貸した
布団を抱き寄せ、目を閉じた

俺の背に腕を回し

足を絡ませ

俺の体に纏わり付き

俺を縛る女

『甘えるの、ダメ?』

お前の可愛い声と
熱い体温を思い出し
俺は、眠りについた。

あの時、俺は一歩ずつ
大地を踏みしめながら
自分に言い聞かせた。

絶対に、振り返っては
いけない。

振り返り、泣いているお前を
この腕に抱きしめたところで

極道の世界で生きることを
決め、走り出した俺の想いは
もう止められない。