『貴方を愛してる』

伝えることのできなかった言葉

今も、この胸のずっと奥に宿る

『私を捨てないで・・・』

お前の悲しい叫びが
俺を、今も、縛る・・・

「カイリ、どうかした?」

「どうもしないさ・・・」

「もう、こんな時間
 私、そろそろ」

ベッドから上体を起こす
女の胸に触れ、彼女を
もう一度、ベッドに沈める。

体と体を密着させて
耳元に口づけ、首筋へ。

「カイリ、ダメだよ
 くすぐったい、放して・・」

彼女は、抱きしめる腕から逃れ
起き上がると下着を付け
さっさと着替える。

「なあ、泊まれば?」

「何、カイリらしくないじゃん
 何かあったの、熱?

 ねえ、まさか
 本命に逃げられたとか?」