二藍蝶

真夜中、目覚めた浬は
藍の首にかかる、Kの文字の
ネックレスに触れる。

眠る藍を腕に抱きながら
浬は、あの日の事を
思い出していた。

あの日、あの駅に現われたのは
藤 千博(ふじ ちひろ)

センという呼び名で会澤組
組員達に親しまれている男。

亡くなった会澤組初代組長の
直属の兄弟分を、実親に持ち

若くして組の為に死んだ親父の
分も、会澤組に命をかける男。

刑務所に12年、服役していた
経験があり、ある時を境に
組を離れていた。

歳の頃は、会澤組二代目
よりも上、要さんと変わらない
ぐらいか?

今は、二代目を支える
会澤組、執行部の一員。

その男は、ギラギラとした目で
俺の目を見つめ、言う。