二藍蝶

浬は、見つめている
向こう側から、こちらへと
歩いて来る男性を。

男性の後方に、むさ苦しい
男達の姿。

歩いて来る男性の周りから
人々が、退いて行く。

厳つく、怖い、風貌の男性。

ギラギラとした瞳が印象的な人

「カイリ?」

「藍、悪い、先に帰れ」

「カイリ、あの人
 知ってる人?」

「いいから、早く行け」

浬の怒った声、怖い・・・

今の貴方は、私の知らない人

ついさっき、肌を重ね
愛し合った人とは、別人。

立ち尽くす私の腕に触れる
浬の手。

「藍、今夜、遅くても
 必ず連絡する
 だから
 振り返らずに行くんだ」