二藍蝶

浬は、繋いだ手を解くどころか
私を自分の方へと引き寄せて
肩を抱いた。

「やめた、やっぱお前と
 一緒に帰るわ
 行こう」

浬は、私の肩を抱いたまま
キップ売り場へと向かう。

「カイリ、本当にいいの?
 大切な約束?」

「いいんだ
 お前と、ここで別れてまで
 行く必要ない

 ミキちゃんのおいしい飯
 食わせてもらおうぜ」

「えっ、カイリ、さっき
 食べたばかりじゃない」

「あれは、朝飯だろ?
 行こう行こう」

その時、浬の携帯電話が
鳴り響いた。

携帯電話に出ない、浬。

貴方は、立ち止まり
私の肩に触れる手を下ろした

駅内に響く、着信音が消えた