二藍蝶

触れてないけど、周りの人には
触れたように見えたかも・・・

俯く私の頬に、ポンポンと
浬の指先が触れた。

「何、赤くなってんの?
 誰も見てねぇし
 気にすんなよ」

「うん」

その後も、黙ったまま
ずっと俯く私の耳元に
小さな囁き声が聞こえる。

「何なら、さわる?」

「バカ・・・」

笑い合う、二人。

「笑った方が楽しいじゃん」

「うん」

電車を降りた私達は、手を繋ぎ
賑わう人込みの中へ。

可愛い雑貨屋さんの前を
通り過ぎる浬、立ち止まる私。

放れる手・・・

私は、夢中で店内を覗く。

「ねえ、カイリ
 店の中、見てもいい?」