二藍蝶

「ユキさんに
 挨拶してから
 出掛けよう」

部屋のドアノブに手をかけた
貴方の背中を、トントンと
叩いた私は、振り返る貴方に
問いかけた。

「ねぇ、カイリ
 
 昨夜は、夜遊びしたの?」

貴方は、私の鼻先を指先で
抓む。

「するかよ

 お前に逢いたくて
 眠れなかっただけ」

放れる指先、照れくさそうに
微笑む貴方。

私への想いを、サラッと話す
貴方に、私の心は打たれ
鼓動は速まる。

室内に入る貴方の
大きな手に触れる私の手。

「ユキさん、藍に
 何か、言ったぁ?」

貴方は、その手を強く握る。