車内に残された、三人には
その後姿が、あの日、愛する
菫の元へと向かう庵の後姿と
重なるのだった。

「カイリ、あいつは
 ヤクザになるかもしれない」

ため息交じりの要の言葉に
透馬は答える言葉が無い。

「アイツを利用しようと
 目論む奴は、この世界に
 山ほど要るだろう
 
 カイリは、俺達が守る
 命に代えても」
 
庵が駆け抜けた、この道を
お前も駆ける・・・?

『今宵だけは

 あなたの傍に・・・

 あなたに触れて

 あなた・・・・・
 
 感じたい』