二藍蝶

「借りるぜ」

「ああ」

整えないままのボサボサの髪
を掻き揚げて、弦に借りた
帽子を被る。

「俺、行くわ」

「ちょっ、チナツさんの飯
 どうする?
 それどころじゃねぇか?
 
 仕方ない、俺が一人で
 食うわ」

「セキ、悪いな
 そうしてよ」

靴を履く浬を、玄関先で見送る
弦。

「セキ、今日帰るんだろ?」

「ああ、これから荷物まとめて
 夕方には、ここを離れる
 ・・・」

「そうか、見送りできなくて
 悪い」

「そんな事は構わない
 どうせまた、すぐ会える

 なあ、カイリ
 これだけ、言わせて
 
 お前がいないと
 面白くねえよ・・・」