そんな二人の姿を、マンション
の入り口付近で見つめる二人。

「何か、複雑な気分
 これが、息子を持つ
 母親の気分なのかな?」

「何、アイちゃんに
 嫉妬ですか?」

「そうかも・・・
 そういう、ミキちゃんこそ
 嫉妬してるでしょう?
 
 永遠に片思い中の
 イオリさんが女の子に
 キスしてるよ、いいの?」

父親の庵に、そっくりな浬。

「馬鹿、イオリのキスぐらい
 俺は見慣れてるよ
 
 俺が嫉妬するのは
 イオリ、アイツ自身さ
 
 それより、キスする?」

「馬鹿、しない」

バイクのエンジン音が
鳴り響く・・・

走り去る、貴方の後姿を
私は見つめる。