「・・・
 私は母親じゃないもの
 到底、無理ね」

浬を自分の子供のように思い
ため息をつく、千夏を見て
正二は笑う。

「チナツ、そんなに
 落ち込む事は無い
 
 アイツは、誰の言う事も
 聞きゃしない
 現に、今だって
 イオリとの約束を破り
 バイクに乗ってるじゃないか
 
 子供なんてそんなもんだ
 親に反発してこそ、自分で
 分かり、学び、身になる事
 がたくさんある
 
 放っておけばいい」

「・・・そうね」

俺は、暗闇の中

ただ、お前に逢いたくて
親父との約束を破り
バイクに跨る。