部屋の電気は消え
辺りは、また暗くなる。

高級車が並ぶ、駐車場の
一番奥に停められたバイク。

浬は、そっと恋人に触れる
ようにバイクに手を翳す。

優しく触れる・・・

そして、差し込んだ鍵を回すと
エンジンの音が、暗闇に響いた

布団を深く被る、弦。

その音に目覚めた、千夏は
ベッドから起き上がり
窓の外を見つめた。

走り出す、バイク。

ベッドで眠る祖父、正二は言う

「カイリか?」

「ええ、あの子ったら
 私の説教にも
 全く懲りてないみたい
 ・・・」