アイと別れた後、浬は
コンビニに立ち寄る。

「いらっしゃいませ」

「トイレ、どこ
 貸してくれる?」

「はい、どうぞ
 突き当りです」

「ありがとう」

その時、壁に飾られた
時計が、俺の目に映る。

やべぇ・・・
もう、こんな時間かよ

今夜こそ、千夏さんの
怒鳴る声を聞く破目に
なりそうだ。

それだけは、勘弁。

用を足した俺は、水道の
蛇口を捻り、流れる水で
手を洗う。

流れる水・・・

流れる涙・・・