二藍蝶

私は、大柄の男性の体に
自分の身を隠して歩く。

そして、改札口から
少しだけ離れた場所で
こっそりと貴方を見つめる。

私は、貴方に見惚れる。

私は、貴方を見つめる。

二人の女性が貴方に近づくと
美しい貴方の顔が歪む。

『またかよ』と
露骨に嫌な顔をした。

深い息と共に、貴方は
言葉を吐く。

「悪いけど・・・
 俺、あんた等みたいに 
 ・・・ないんで」

微かにしか、聞こえない声。

彼の言葉の後、彼女達は
大きな声で笑う。

その高い声が駅内に響いた。

派手な女性が何かを言った後
叫んだ。

「・・・バァ~カ」

「・・・馬鹿な男・・・」

二人連れの女性は
その場を後にする。

沢山の視線が、彼に集まる。