二藍蝶

何かの呪文に
掛かってしまったように
私の心を支配する。

彼の声を思い出し
この胸が騒ぐ・・・

貴方は、私のこと
待っている?

ゆっくりと流れる時が
じれったくて、歯痒さを
感じる私がいた。

椅子に座り
小刻みに揺れる左足。

早く、早く、早く・・・

家の前に、停車する
タクシーに荷物を乗せる父。

「アイ、あなたも
 これから用意して
 すぐに出るんでしょう?
 戸締りお願いね

 冷蔵庫の手作りケーキ
 お土産に持って行くの
 忘れないでね?」

「うん、分かってる」

伊吹は言う。

「アイ、七日目の午後
 迎えに行くから・・・」