俺は、また
何の面白味も無い町を
抜け出してこの場所に
降り立つ。

蒸暑い夏の日

都会でも蝉の声は
聞こえる・・・

駅に隣接している
コンビニの前

禁煙と書かれた文字に背を
向けて、煙草を吸う。

「カイリ、ありがとな」

「何が?」

「連れ出してくれて・・・

 今、あそこに居るのは
 正直、辛い・・・」

「お前の為じゃねえよ」

夏休みに入ってすぐ
弦の妹、弓は、無事に
中絶手術を終えた。