私の腕を掴む手を解いた茉優は
前だけを見つめて言う。

「アイ、彼、カイリには
 絶対に逢いに行っちゃ
 駄目だよ

 遊ばれてもいいなら
 話は別だけど・・・

 彼に遊ばれた女からの忠告
 素直に、聞いておいた方が
 いいと思うよ

 傷つきたくないなら・・・」

前を見つめる、茉優の瞳

悲しそうに潤んでいた。

「行かないよ・・・
 
 私はもう

 傷つきたくない」

傷つくのは、嫌だよ・・・

傷つくだけの恋は、いらない。

苦しみはいらない。