真冬のひまわり

「…サトシ、ちょっと」

しばらく歩いただろうか。
最寄り駅まで後少し、というところで
河野がヤツにむかって
意味深にうなずいて見せた。

「…わぁったよ」
非常ぉに嫌そうな…
否、めんどくさそうな顔で
ヤツが若菜の隣を離れる。

…チョットアナタ、
ナンデコッチニクルンデスカ?

仏頂面(女)と仏頂面(男)が並んだ。
…きっと今、私は殺気溢れる
般若の相をしているのだろう。

その顔のまま河野を凝視する。

目が合う。



…親指を立てられた。


…ウィンク似合ってませんよ河野君。
親指ごとひんまげたろかクソが。