浩一は、呆然としたまま病室をでた。
あの日の前日まで、遥におかしな様子はなかったように浩一には思える。
俺が気づかなかっただけなのだろうか?
自問自答を繰り返しながら病院をでて家に向かい歩く。
彼女が事件を起こす前の事を思いだしてみる。
だが、浩一の脳裏に映る遥の顔は、笑顔ばかりで何も教えてはくれない。
浩一の頬を涙が伝う。
どうして、遥はあんな事をしたんだ。
この3日間押さえこんでいた悲しみが、浩一の胸を襲う。
一度堰を切った涙は止まる事をしらず。
浩一の視界を遮り、周囲の音さえ聞こえなくさせた。


