絶望? 絶望ならもうとっくに、この雨と一緒に僕の体に染み込んでいる。これ以上、何があるって言うんだ。
「あなたのたったひとつの希望が、今失われるわ」
ひとつの、希望……僕は反射的に真鈴を見た。真鈴の顔は表情を失い、ずっと前を……遥か遠くをじっと眺めていた。
「真鈴! 真鈴! どうしたんだ!?」
真鈴はまるで、立ったまま目を開いたまま眠ってしまったかのように全く反応しなかった。
「お前! 真鈴に何をした!」
僕は貴田先生に向かって叫んだ。
「何をした? 何もしてないわ」
嘘だ! だって真鈴は……。
「祐希くん?」
その時、真鈴が僕の名を呼んだ。