心~保健室の先生と私~【野いちご文庫版】

「そっか」


「また明日も来てあげる」


「それはどうも」


「お待ちしてますでしょ?」


「はいはい。お待ちしてます」


保健室を出ると、一気に暑さが襲ってくる。


進路調査票か。


私はまだ出せずにいた。


自分の進路は、まだわからない。


何をしたいのか。何ができるのか。


でも、家がどうなるかわからないのに、先のことなんて考えられないよ。


相変わらず、両親はほとんど毎晩ケンカをしているし、心葉も夜になる度、私から離れない。


不安はいつまでたってもなくならない。


それでもちょっとだけ心が休まる時間を見つけた。


それは、佐野先生と話す時間だ。


でも、もうすぐ夏休み。先生ともしばらく会えない。


また、心が押しつぶされそうで怖い。


前みたいに、ガマンすればいいだけのこと。


でも、心休まる時間を見つけてしまった今、それができるか、不安でしょうがなかった。