心~保健室の先生と私~【野いちご文庫版】

【愛花サイド】


目を覚ますと、先生じゃなくてお母さんがいた。


「どうして……」


「先生が連絡くださったのよ」


「そう」


「もうすぐ点滴終わるから、一緒に帰りましょう?」


私はお母さんから、視線を外した。


「愛花、ごめんね」


お母さんが私に謝った。


その声は、涙に濡れてた。


「お母さんたち、毎日ケンカしてて。イヤだったよね」


「…………」


「愛花」


「ごめん、私が悪かった」


「愛花」