心~保健室の先生と私~【野いちご文庫版】

石川の体は、熱かった。熱は下がるどころか、上がってるんじゃないかって思った。


俺は石川を抱き上げた。


「ごめん、変なとこ見せて」


「いや、全然」


「お疲れ」 


休憩室にいたヤツに謝って、店内のフロアに出た。


「石川?」


そう声をかけたけれど、また眠ってしまったみたいだった。


さっきまで客が座っていたところに、石川を抱いたまま座る。


しばらくすると、「タクシー来た」と、陸が知らせに来てくれた。


「サンキュ」


「俺もついてこうか?」


「いや、いいよ。お疲れ」


「おう」


陸と別れて、タクシーに乗る。