【祐介サイド】


「お疲れ! 裕介」


陸が俺の頭をバシンとたたいてきた。


本格的にたたくから、かなり痛い。


多分、いくつか脳細胞が死んでいると思う。


陸は酒が入っていても入っていなくても、こんなテンションだ。


陽気というか、常に明るい。


少し長めの金髪に近い髪に、クリクリした目。


アイドル並みのかわいい顔立ちに、サービス精神旺盛とあって、この店の中でもかなり人気があった。


「陸、いちいちたたくな」


仕事が終わると、陸は俺のことを裕介と本名で呼ぶようになる。


仕事仲間から、友達に戻る瞬間。


ちなみに、陸は本名だ。


「で、あの子どうするの?」


興味津々って顔で、陸が聞いてくる。