心~保健室の先生と私~【野いちご文庫版】

石川はそのまま倒れるように、俺に体を預けてきた。


その体を受け止め、額に手を置いてみる。


熱い。


よくこんなところまで、歩いて来れたな……。


俺はそのまま石川を抱き上げた。


「裕真、いつまでも何やってんの?」


「陸、そこ開けて」


いつまでも外から戻って来ない俺を心配したのか、仕事仲間の陸が店から出てきた。


裕真って、ここでの俺の名前。


本名の裕介をもじっただけだけど。


「その子、誰?」


陸が驚いた顔をして、俺たちを見比べる。


「あとで説明するから、店のドア開けて」


「わかった」


わけわからんって顔してたけど、陸は店のドアを開けてくれた。