心~保健室の先生と私~【野いちご文庫版】

少し軽い感じで言ってみる。


「子供扱いしないでください」


石川の顔には、無理に作った笑顔があった。


「ほんとに何してんの?」


「散歩です。晴れたから」


「熱あるのに?」


「熱あるからかな? 余計に外行きたくなっちゃった」


「バカなこと言ってないで、帰りなさい」


「怒らないの?」


「怒ったら、今すぐ帰るのか?」


「んー、逃げると思う。怒られるのキライだし」


「俺も一応教師だからね。こんなところで、自分の学校の生徒見つけて怒りたくならないわけないだろ?」


「でも先生は、私に怒っちゃいけいんだよ?」


「何言ってんの?」


「だって同罪じゃない。今、こんな場所にいるってこと」