心~保健室の先生と私~【野いちご文庫版】

【祐介サイド】


「また来るわね」


「はい、お待ちしてます」


俺は常連のお客さんを外まで見送って、店に戻ろうと体の向きを変えた。


「石川!?」


自分の目を疑った。


ミニスカートにパーカーを羽織ってミュールを履き、手には小さなカバン。


その姿は、前にここで会ったときと同じように、高校生には見えなかった。


下を向いて歩いていたから、長い髪の毛で顔がよく見えなかったけど、あれは、石川だ。


なぜか、確信した。


「石川?」


下を向いて歩いている石川を呼びとめたら、びっくりしたのか体がビクっとゆれた。


「何してんの、こんなところで」


「先生……」


いつもの白衣姿じゃなくても、石川は俺に気付いたようだった。


「子供は寝てる時間だと思うけど?」