私は、心葉の声で目を覚ました。


ドアの方を向くと、少しだけドアを開けて心葉が様子をうかがっていた。


「どうしたの?」


私は起き上がって、心葉の方を向いた。


「一緒に寝てもいい?」


時計を見ると、もう夜の9時だった。


「お姉ちゃん、風邪引いてるの。心葉にうつっちゃいけないから、今日はひとりで寝れる?」


「ううん、ヤダ」


心葉は、思いっきり首を横に振った。


「心葉、お願い」


「ヤダ。お姉ちゃんと寝る」


そう言って、部屋に入ってきた。


泣きそうな顔をして。


耳を澄ますと、また両親のケンカする声。私はため息をついた。


「いいよ。おいで」