【祐介サイド】


「氷枕敷いてくれたとき」


「おまっ、起きてたのか?」


俺は思わず石川の顔を見た。


「あんなにすぐ寝れるわけないじゃん」


そう言ってくすくす笑う。


「タヌキ寝入り上手でしょ?」


「はー。マジか……」


変なこと言ってないよな?


「大丈夫だよ、先生。変なこと言ってないから」


俺の心を見透かしたようにそう言って、まだ笑ってる石川。


「まーいいや。石川、カバン取ってこい」


「なんで?」


「送ってってやる」


「いいよ、そんなに親切にしてくれなくて」