心~保健室の先生と私~【野いちご文庫版】

「先生、私が答えないってわかってて聞いてる?」


石川が布団から顔を出した。


「先生って、テクニックないね」


「はぁ?」


「直球がダメなら、回り道とかしないと」


「何言ってんの?」


意味不明なんだけど。


そんな俺の顔を見て、石川がくすくす笑った。


「家に土足で入る人なんて、いないでしょ?」


「ああ」


「心も同じ。土足で入っちゃいけないんだよ?」


「俺は、そんなつもりないよ?」


「無理に聞き出そうとしても、ダメなんだよ。その人が、自分に心を開いてくれるのを待つのも大事だよ?」


「石川、どっかで心理学でも勉強した?」


「まさか。ただね……」