【愛花サイド】


結局、1時間くらい雨に濡れて帰った。


家に着いたときには、もう日付が変わっていたけれど、お母さんが待っていてくれているはずもなかった。


熱いシャワーを頭から浴び、濡れた髪をかき上げて鏡で顔を見た。


「ひどい顔してるね」


鏡に映った自分の顔を見て、思わず笑いが込み上げた。


バカらしい。


こんなことで泣くなんて。


体の表面は、どんどん熱くなる。


でも、体の中は、いつまでたっても冷たいままだった。


髪の毛を洗い、お風呂から出てそのままベッドに直行した。


布団をめくると、心葉が眠っていた。


起こさないように、そっとベッドに入る。


それから、ゆっくり目を閉じた。