【祐介サイド】


トントン。


保健室の窓がたたかれた。


誰だ?俺は不思議に思って、窓を開ける。


この窓は、外に出られる窓だ。


「愛花!」


「ちゃんとやってる? 先生」


「何しに来たの? ここ、学校なんだけど。不審者だと思われるよ」


「去年までこの学校の生徒だったんだから、いいじゃん」


「まあ、いいけど。ダメじゃん、寝てなきゃ」


今日、朝起きたとき愛花に少し微熱があって、俺は寝てろって言って、学校に来た。


「もうないよ?」


「ほんとか?」


俺は少ししゃがんで、愛花の額を触った。


「確かに」